BIG
チェーザレ・ボルジアと言えば教皇の私生児にしてマキャベッリの君主論に語られる絶対君主論であり、妹ルクレツィアを巡る愛憎、ボルジア家の毒薬カンタレッラと話題に事欠かない魅力あふれる人物だ。この漫画の凄いところはなるべく史実に忠実に描きたいという惣領冬実先生の意向で不定期連載、まだ日本語の訳書が出ていない史料を研究者と紐解きながらの執筆、そして遂には史実考証が追い付かずに完結してしまったのである。完結と聞いた時には耳を疑ったものだ。まだまだこらからなのに、と。続編をずっと期待している。彼のその後を知りたくなった方は塩野七生先生の「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を。