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マンガ一巻読破管理人によるじぶん書店です。マンガ一巻以外も並びます、たぶん。

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書籍推しコメ一覧

少女が拾ったものは福の神、なのか? 思い込みが交錯するブラックなコメディ。

舞台は瀬戸内の離島。宿が有る島の中では一番人口が少ない、という場所である。そこに小説を書こうとする女性と編集者の男性が向かう。件の中学生もこの島の住民である。フェリーで初対面となった女子中学生は「なんかバカにしてた」として距離を置く。何か空気を感じるのだろうし、感受性が豊かなのだろうし、意識しすぎでもあるのだろう。その彼女の家に、小説家と編集者は泊まるのだった。 ところで話は小説家が閉鎖的な田舎を体験するために島に来たのに全くそんな雰囲気ではない、閉鎖的なのはこっちの方だ、と思うように、意識認識のスレ違い、思い込みの交錯がテーマとなっている。が、ここから話に変な要素が加わる。少女がミイラのような置物を見つける。福の神にみえるが七福神のどれにも似ていない。家に持ち帰って洗い磨いたが、ふと思う。「てかそもそも なんでコレを持って帰ろうと思った・・・?」 この福の神をめぐるオカルトチックな物語が展開していく。祠に入れたら図体が大きくなり赤ん坊のようになって、自立して動き始める。たたりか?呪いか?彼女は慌てて逃げるのだが、すると福の神かと思った瞬間、足元に500円玉が落ちていた。という具合にコメディタッチでもある。主人公の淡い恋物語もあり、しかも恋する相手はアニメイトがあるから高校は父親のいる大阪で通う!と言うくらい無邪気というか邪念がない。そんな二人の青春ラブコメになるかと思いきや、彼女が帰ると家にその福の神がいるのだった。しかも、他の人にはどうやら普通のオッサンに見えている様子。ただし小説家と編集者には彼女同様の姿に見える。島の者にだけ人間のように見えるのか? ちぐはぐなコメディのようだが、この福の神、人を巻き込む能力があるらしい。しかしどうやら「性質は極めて単純で周囲から人や財を集める」「一緒にいる人の金運を上げる存在じゃない」ようである。が、少しずつ、巻き込まれた島の人の行動が変わっていく。とくに、福の神の世話をしている少女の祖母が・・・。 著者の前作は時空を移動してしまうSF「 刻刻 」。傑作だった同作と方向性は違うが、 こちらもオカルティック。密かに怖い。しかし怖がらせるだけでなく、 笑いもある。双方に振れながら話が進んでいくなら最強。

ゴールデンゴールド

1巻

堀尾省太

老々介護の無理心中事件を追った記者が知った 真実とは。素晴らしき逸品。

本作は、人間の尊厳を描く話ではあるが、老老介護について 独特なアプローチをとって描いた作品である。 痴呆症、というブラックボックスを使ったミステリ ともいえる。記者は真相を突き止める探偵でもある。 しかも無遠慮に。本作の場合、救いは、彼は切れはするが 無神経にバリバリ突き進むタイプのようには見えず、 また、この話の真相は明らかにするには障害が多いことである。 こうした背景のある話は世間で表に出ることはない、 逆にいえば世間に出ている話は話せないことのないこと、 あるいは話せないことは話さずにオミットして いるということでもある。まぁ実際そうだろう。 というメディアの話は正直どうでもよい。 記者を主人公にしたのは物語をスムーズに導くための 狂言回しとして適役だったからにすぎない。 本質は、田舎で起きた悲劇であり、しかし田舎だからこその 理想的な幸せな最期でもある。ただ、土地に還りたい、とする発想は 農耕民族ならではだろう。 良作だと聞き内容も朧気に耳にしていたが、 こんな構成の作品であるとは思わなかった。 ぐいっと引きこまれ一気に読んだ。これは傑作である。

よろこびのうた

1巻

ウチヤマユージ

見事なツイストをかけてくる、連続殺人犯探しの物語。

悪徳警官か昔ながらの刑事ものかと 思わせて見事なツイストをかけてくる、 連続殺人犯探しの物語。正直反則技だが、 この構成は見事。絶品。 癖のある刑事の話に見えるがこれはミスディレクション。 それが上手く効いている。事件は捜査一課の妻も 被害者となっており、しかし異例なことに関係者ながら 夫は捜査に加わっていた。彼が真犯人を見つけることを マスコミも期待している。そんな状態でなぜ主人公は 捜査に呼ばれたのか。主人公は何かを知っているのか。 そう思いながら読みすすめると、主人公と同調して 動く者がおり、事件の真相を暴いていく。その暴き方が 巧い。前編で作った話を中編で覆し、後編でさらなる ツイストをかける。後編のツイストはさすがに 無理のある展開なので犯人探しの推理もの同様、 序盤の描写に隠蔽とフェイクがあるわけなのだが、 そうした仕掛けに目が行かないような構成となっている。 主人公を所轄から捜査一課に異動する刑事としており、 彼がミッシング・ピースを探し、埋め、説明する 役割を担うことで話が巧妙に構築されている。 単行本一巻で緊張感のある話に仕上がった。 この構成は見事の一言。

リメインバッド

1巻

中川貴賀

最近あまりないSF風味のファンタジー短編集。

短編5編を収録した作品集。すべてがスペースファンタジー的。 最近では珍しいテイストのもので、読んでいて嬉しくなってくる。全編、作り込んだお話で、才能とセンスを感じる。 ハードとソフト、双方に設定が必要な分、この手の作品は手間暇がかかる。 その労力に見合うだけのリターンを得て欲しいな、と思う才能である。 「エルキドの巨木」は好奇心のある主人公が、誰も見ていないところを目指す話。 なおこの作品の人間は、ふつうの人間ではない特徴ももっている。 それがきちんと活かされる展開であるのは素晴らしい。 「京子の夢」夢のなかで宇宙人と意識がシンクロする、という話。 その宇宙人は居住できる惑星を求めてさまよっている。 でその結末は、というところだが、なるほど、そこに着地ね、と感心。 「ハッピーエンド」は「11人いる!」のような話。宇宙船のクルーの話だが二転三転。転がし方は見事だが、そこで止めないで欲しかった。 「小さな彗星」老博士が宇宙クルーズ船で外を眺めている。 その理由は、というところだが、時間軸を分断して話をつなぎ合わせる 手法をとっているので、最後に、ああそういう話なのかと気づく。 上手な語り口である。 「地球最期の日」誰かを待つためにデータ化、ロボット化した人の話。 そこに別の人物を投入して描くところがこの手の話としてはユニークであった。

宇宙のプロフィル

1巻

こがたくう

アレンとドラン

1巻

麻生みこと

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